Note|サウンドデザインについて(「アウト、セーフ、フレーム」日記3)

今回の公演では通常のPA/音響の甲田さんに加えて「サウンドデザイン」という名目で荒木優光さんに参加してもらっています。


荒木さんは昨年京都芸術センターでやった自身の公演「ここでひくことについて」のアフタートークに出演頂き、約2時間近くトークをしました(短いアフタートークがあまり好きではなく、いけるところまで行ってみよ~~ということでこの長さになりました。楽しかったです)。そしてそこからの流れで今回関わってもらってます。荒木さんの活動について下記の映像が端的にとてもわかりやすいです。


この映像にもあるように、また荒木さん本人談ですが、荒木さんのやっているのはただ単にスピーカーをどこかに配置して、そこからどんな音を出すかを決めるみたいな「サウンドデザイン」ではなく、もっと音の外側、また音の鳴る環境を含めたデザインの側面があるように思います。そのことについて私から話すと、荒木さんは「スピーカー」(それはモノのスピーカーと話すヒトという意味でのスピーカーも含まれる)の扱い方、そしてその音が響く場所=音源の外側の場所についての思考/試行を行っておられるように思います。


また先の2つのスピーカー(ヒト/モノ)に関係しますが、そのモノとしての「スピーカー」がそのままヒトのように成ることも重要な点のように思います(荒木さんの作品では度々話者が一つのスピーカーとして空間に配置されています)。或いは音、そのものが何らかの「対象」(行為に目標になるもの/めあて)になっていること。


僕はこのようなことに魅力を感じて今回お声がけしており、現在いろいろとテストを進めていますが、まずとても楽しくいろいろなことが進んでいます。

それとこれは個人的なことですが、自分の演奏との関わりについて。自分の演奏は電子的なもの(マイク、ピックアップ、エフェクター)を使用してスピーカーにチェロの音を“送る”部分があり、そのことは荒木さんの活動と全く関係がないわけではない思っていて、今回はその自分の演奏、及び拡声行為みたいなものが、荒木さんという「外部」を経由し、より拡がりを得ることを期待しています。


またこれも荒木さん談ですが、サウスホールそのものを「再生する」というテーマが今回はあります。

このテーマと個人的な公演テーマの一つである、「もう一度何かになる」ということ。荒木さんの言う「再生」と私の「再生(再びかたちを変えて立ち上がること)」。ここでそれぞれの再生「PLAY/Rebirth(Reverse)」の意味は違うけれども、それはダジャレ以上に何かになるのではないかと思っています(いやダジャレでも良いのだけれども)。


ダジャレで思い出しましたが、先に紹介した京都芸術センターの公演でも引いた下記の言葉が今浮かびました。


私は今は偶然性の誕生の音を聞こうとしている。「ピシャリ」とも「ポックリ」とも「ヒョッコリ」とも「ヒョット」とも聞こえる。「フット」と聞こえる時もある。「 不 図」というのはそこから出たのかも知れない。場合によっては「スルリ」というような音にきこえることもある。偶然性は驚異をそそる。 thrill というのも「スルリ」と関係があるに相違ない。私はかつて偶然性の誕生を「離接肢の一つが現実性へ するりと 滑ってくる 推移の スピード」というようにス音の連続で表わしてみたこともある。(九鬼周造随筆集)


韻を踏むこと、ダジャレ、因果、関係を踏み抜くこと。そしてそれらを経て/越えて、映し出されるモノ。この公演は荒木さんのサウンドデザインも含めて、楽しみにして頂ければと思います。



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parabasis1 - Yuki Nakagawa
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